成年後見の審判が確定すると、家裁から成年後見人にあてて一定の書類が届きます。その中に、ひと月ほど先を期限として、「同封の事務報告書、財産目録、収支表などに必要事項を記入のうえ○月○日までに家裁に提出」するようにとの指示があります。
成年後見人が本人のこれまでの生活をよく知らない場合は、急ぎ本人と面接し、関係者から話を聞き、預貯金通帳などを引継ぎ、決まった入出金や債務の有無をつかみ、報告書提出の用意をしなければなりません。

大きく分けて、①財産管理、②身上監護、③家裁への報告の3つがあります。
①②の主なものは表のとおりですが、本人についての家計簿をつけたり、領収書を保存したり、業務日誌を記録したりすることは、③の準備としても重要です。

成年後見人にはほぼ制限のない代理権が認められていますが、上の3つについては民法に明文で制限が決められています。
また、上に該当しない場合でも、本人に大きな影響を及ぼすかもしれない決定をせねばならない時は、後見人は事前に家裁に相談すべきです。
後見人が安易な判断をして本人に不利益を被らせた場合、後見人が本人に損害賠償をせねばならないこともあります。